南アジア一帯のヘヴィメタル/ハードロックバンド総勢657組、737作品のディスクレビューを網羅した『世界過激音楽Vol.18 デスメタルインディア』(著:水科哲哉)を発売します。副題は「スリランカ・ネパール・パキスタン・バングラデシュ・ブータン・モルディヴ」で、インドだけでなく南アジア一帯のメタルバンドを収録しています。
インドのメタルといえばYouTubeをきっかけに世界規模でブレークしたラップ・フォークメタルバンドBloodywoodが、2022年8月のFuji Rock Festivalで日本初上陸を果たして話題になりました。しかしそれ以前から、シンフォニック・ブラックメタルのDemonic Resurrection、正統派メタルのKryptosは、ドキュメンタリー映画『グローバル・メタル』に登場したり、Wacken Open Airをはじめとするヨーロッパ各国のフェスティバルに幾度も出演するなどして、世界的名声を勝ち得ています。米印混成のDjent/プログレッシヴメタルバンドSkyharborもアメリカ、カナダ、ヨーロッパ各国で50本以上もライヴをこなしており、高い知名度を誇ります。
インドの成長率は6.7%と主要国で最も高く、近い将来日本を抜き去り、世界3位のGDP大国になると予想されています。ゼロを発明したことで知られるとおり民族的に数学の才能に秀でており、シタールなどの多弦楽器に慣れ親しんでいて、変拍子や複雑な曲構成の伝統音楽の下地があるため、Djentやプログレッシヴメタルにおける潜在能力が高く、続々と秀逸なバンドが登場しています。また、事前知識がなければ「全米Top40にチャートインしたメインストリーム系ロック」と言っても疑われないようなクオリティのバンドも多数出現しています。
書名は便宜上、『デスメタルインディア』となっていますが、本書はインド以外の南アジア各国のシーンも徹底調査しており、前述のBloodywood、Demonic Resurrection、Kryptos、Skyharborをはじめ、南アジアで人気のメタルバンド14組、メタル関係者3人のインタビューに成功しました。それだけでなく、日本勢として史上初めて2012年にバングラデシュとインドでライヴを敢行したブラック/スラッシュメタルバンドAbigailのJero氏による貴重な体験記も、インタビューという形で掲載しています。
南アジアの専門家2人による査読済みの各種用語集に加え、「面白ミュージックビデオ」「エリート高学歴メタラー」「世界のインド系メタラー」など、本書は南アジアのメタルを知る上で欠かせないコラムも多数用意しました。
「世界過激音楽Vol18 デスメタルインディア:スリランカ・ネパール・パキスタン・バングラデシュ・ブータン・モルディヴ』
《著者》 水科哲哉
《発行》 パブリブ(https://publibjp.com/)
《体裁》 A5判/360ページ/並製
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